情報科教員の暗中模索

私立高校の情報科教員が、授業内容や教育ICTについて暗中模索するブログです。

学校iPad導入に必要なサービス

生徒用一人に一台のiPadを持たせるにあたり、ドキュメンを読んだり、手持ちの機材を使ったりして検証を進めています。

その中で気づいたのが、◯◯◯(ローマ字3文字)に省略される用語の多さ。途中で何度も混乱しそうになりました。

ひとまず一通りの検証が済んだので、覚書としてまとめてみます。

ASM - Apple School Manager

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Appleが提供している無料のサービスです。学校配下のApple IDを作って生徒と紐付けて、クラスを作ることができます。

最近登場したClassroomやShared iPadなどの機能を利用するためには必要です。

www.apple.com

が、単純にiPadを配布するだけならそれほど重要ではありません。ただ、後述するVPPやDEPMDMの設定は、このASPの画面から行います。

VPP - Volume Purchase Program

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Appleが提供するライセンス供与の形態。

通常、アプリのライセンスは個別のApple IDに対して供与されますが、VPPを利用することで学校が一括で複数のライセンスを購入し、配下のApple ID、あるいはApple IDではなく個別のデバイスに供与することができるようになります。

学校がアプリを購入する、もしくは学校がアプリを強制的にインストールするためには必要となります。

MDM - Mobile Device Management

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Apple以外の企業が提供する有料のサービス。大量のiPadを効率よく管理するための仕組み。

さまざまな機能が用意されており、より多機能なものほど利用料が高額(iPad一台あたり200〜500円/月の費用が必要)です。iPadを学校管理下に置くためには必要となります。学校で特に不可欠と考えられるのが以下の機能。

  • プロファイル(端末設定をまとめたファイル)の適用
  • アプリケーション配布
  • 「紛失モード」設定と、位置情報取得

こうしたの機能は、どれもMacとLightning-USBケーブルで接続すれば実現できます。しかし、MDMを利用すれば、物理的なケーブルで接続する必要がなくなります。

例えば、設定の変更が必要となったとき(wi-fiのパスワードが生徒に漏れたから変更が必要!とか)に、

回収 > 接続 > プロファイル適用 > 返却

という作業をしていてはとても間に合わない!そもそも回収に応じない生徒もでてきそうです。紛失していたら回収できないですし…

そんなとき、MDMを導入していれば、

コンソールから指示 > 即時適用(ネット環境があれば)

という少ない作業、短い時間で済みます。

DEP - Device Enrollment Program

購入時点でiPadを学校管理下、MDM配下に置くことができるサービスです。無料で利用可能だが、販売店との連携が必要です。

キッティング(iPadの初期設定)が不要で、開封した時点ですべての設定が自動で配信されているという夢のようなサービスですが、導入には幾つものハードルがあります。本校はDEPの検証に一番手間取りました。

iPad本体より、付随する管理業務が高コスト

ICT、アクティブラーニングがもてはやされており、その実現のためにiPad導入を検討されている学校も多いと思います。しかし、導入・保守には専門的な知識も必要で、しかも度重なる仕様変更にその都度キャッチアップする必要があります。そのあたりをアウトソーシングした場合、本体以上に同大な費用がかかってしまいます(勤務校でも、その類の営業から居丈高でボッタクリ価格な営業を受けました!)。

その点、Chromebookは敷居が低いですね。管理機能が予め備わっており、操作も容易です。アメリカの学校現場ではChromebookが圧倒的なシェアを持っているらしいですが、当然でしょう。

Apple、学校現場に入り込む気なら、もうちょっと本気でやって!